普段暮らしている自宅の地域にはプールがある。
今日は炎天下にもかかわらず、そこの草刈をした。
本来の掃除日は明日、来月の学会用のプレゼン作りもしたかったが、
当日は都合で豊川まで行かねばならない。
草刈機の燃料タンクを交換したこともあり、草だけ刈っておくことにした。
快晴だったが、プールでは子供と両親が一組だけ泳いでいた。
「岳のおじちゃん、スッポンを捕まえたよ」
バケツを覗くと、立派なのが一匹もがいていた。
このスッポン、近所のホテルのおっさんが飼っていたものが、
とある大雨で脱走、川で繁殖を繰り返したものらしい。
スッポンといってもまだ誰も食べたとの話しは聞いていない。
川が汚いせいだろうか?
彼らは毎年、プールに迷い込み、その度、大騒ぎになる。
石亀と違って、スッポンはでかいくせに、素手じゃ簡単には捕まらない。
飛んだり跳ねたり、それに強暴で、小さい子が噛まれたら大変だ。
スッポンが出ると、必ず捕まえに来てくれるお祖父さんがいる。
彼はいつもそれを食べてるんだろうか?
捕まえても、捕まえても、毎年出るのは、精力旺盛な業か?
ただ、ザリガニを目当てに川を歩いても、
昼間は砂に潜っているせいか、顔を合わせる事は無い。
このプール、もとはと言えば死んだ親父が、まだ自分が保育園の頃に、
近所の親父らと意気投合し、素人工法で作り上げたお手製プールである。
お手製といっても縦15m/横9m/深さ1m40の総コンクリート製。
壁面の厚みも30cm程あり、今でも十分に立派な作品である。
当時はプールなんて珍しかったから、シーズンになるとそれこそ
地域を越えて昼間は子供、夜は大人と、朝から晩まで随分と賑わっていた。
ちなみにウチのカヌーの進水式もこのプールだった。
水漏れや割れ、プールサイドの痛みも激しいが、世代ごとに補修を繰り返し、
40年近く経った今も立派に機能し、この夏もまた子供らを迎えている。
開場当初は山からの湧水で全ての水を賄っていたが、昨今の開発からか
いつしかそうした水も沸かなくなり、今ではもっぱら水道水を利用している。
昔は、高学年でカルキ投入や監視役を回したもんだが、
さすがに今は子を持つ親が、夏休み中は毎日交代で見張っている。
先日も市営プールで痛ましい事故があり、我が町の市営プールは点検、
休業状態になっているが、このプールには何のお達しも無かった。
度重なる水漏れから、やれ水道代が、衛生面が・・・なんて訴える輩もいるが、
結局は先人の労力と幼児期からの愛着に帰着し、最後は皆黙る。
プールには、これまたお手製の更衣室もあるが、誰も使わない。
皆、家が近所ゆえ、家を出るときから、男も女もそれこそ海パン一丁。
ゴム草履に浮き輪を抱えて、田んぼのあぜ道を闊歩してくる。
洒落たスイミングスクール、真面目なスポーツクラブ隆盛の昨今でも、
この“田舎臭い”のどかな光景は今も昔のままである。
すでに文化遺産になりつつあるのかもしれない。(笑)